GIFT 限られた時間なんですね、人生って。

唐突ですが、私、昨年12月12日(木)に外出先で突然倒れ、救急車で京都第一赤十字病院に搬送されました。結論から言いますと、小脳梗塞でした。小脳へ向かう細い動脈が血栓で塞がれ、小脳の一部が壊死してしまいました。

幸い、搬送から処置までの時間が短く、適切な治療を受けられたお陰で一命を取り留めることができました。小脳は大脳とは違い、生き物としての生命、基本的な運動などを取り仕切る、いわば原始的な脳です。記憶、計算、判断、言語などの高度な機能とは一線を画す機能を持つ部分です。

ですから、私には「脳梗塞」と聞いて想像されるような後遺症などは一切現れていません。ある意味、拍子抜けされたような顔で「本当に、脳梗塞になられたんですか?」と聞かれたことすらあります。

しかし、逆に小脳は原始的な機能を司る部分ですから、一歩間違えば「死」に直結した可能性すらあるそうです。歯科医師ですから「嚥下」に関することは少々理解しています。自分の嚥下機能が低下して行くのを自分で観察することになるとは、夢にも思っていませんでした。小脳の近くには、延髄、脳幹といった、これまた原始的、基本的な生命の根幹とでも言うべき機能を司る部分も存在し、小脳梗塞においては、嚥下機能(飲み込みや、呼吸などに関係する機能)の低下が見られることが、頻繁にあるそうです。

遠ざかりつつある意識の中で「息がしにくい」と感じました。そのように、ドクターにも伝えました。その先、どのように処置を受けたのかは、はっきりと覚えていません。しかし、ありがたいことに生還しました。しかも、お医者さん、リハビリ担当のPTさん、STさんが驚くほどの回復の速さで、改善していきました。年内に退院し、年明けからは職場に復帰しました。今は、負荷を調整しながら、歯科医師としての仕事を再開しています。(やはり、あまり体力が必要な処置や、長時間に亘る処置などはまだ厳しいです。)

さて、ここからが今日のお伝えしたことです。

「死の淵」を見て帰ってきました。おそらく、これが「臨死体験」というものなのか、と言う感覚を持ちました。すると、死生観が変わります。「人生」、もっとわかりやすく言えば「時間」に対する感覚が大きく変わりました。

「要らんこと」に時間を使いたくない、という強烈な想いが湧きました。 それは、神なのか宇宙なのか大自然なのか、よくわかりません。しかしながら、人間のちっぽけな力では及びもつかない、壮大な何か外力があって、私たちは生かされているんだという、ことを強烈に思い知りました。

「運」が良かっただけだとも、言われました。 もし、一人でマンションの風呂に入っているときに、同じ発作が起きていたら、私は今頃、写真の中の人でした。間違いないでしょう。人通りの多い、スーパーマーケットの駐車場で倒れ、親切な人が近くにいてくれて救急車を呼んでくれた。そして優秀な救命士が素早く、的確に私を搬送してくれ、脳卒中の対処に評判のある日赤病院に担ぎ込まれた。しかも、極めて迅速に。。。。絵に描いたような「ラッキー」です。

実は、体調が良ければ、次の日から長野県にスキーに出掛けているはずでした。もし、発作が一日遅れていたら、発症から15分で、大きな救急病院に搬送されるなんて夢のまた夢のような僻地(白馬村)でスキーをしていました。これまた、写真の中の人になっていたでしょう。

私たちが生きている、と言うことは「大きな力」から生きることを許され、生かされているんだということ。命は「GIFT」なんだということを想い知らされました。

まず、感謝の気持ちでいっぱいです。助けてくださった皆様、本当にありがとうございました。

せっかく、生きることを許されましたので、アディショナルタイムを頂きましたので、きちんと生きようと想います。生きさせて頂こうと想います。そして、生命というかけがえのないものを大切に使うこと、身体という宝物を丁寧に、大切に扱うことの尊さを伝えていこうと想います。お手伝いをさせて頂こうと想います。

皆様の残りの人生が素敵で、そして彩り鮮やかに輝くものとなりますように、身体の一部でありますところの「歯」に関わって行こうと想います。 「とりあえずビール」みたいな診療、仕事、時間の使い方は一切、辞めようと心に誓った年末でした。

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